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朝、身支度をする時、カーテンを開けると、まだ薄暗い港が目に写ります。とても寂しい風景です。やがて、朝日が昇り、薄い日差しが、海に注がれ、寒い港町に朝が訪れたことにほっとします。

ホテルから「KOMAギャラリー」へと歩く道は凍りついています。完全防寒のつもりで備えてきましたが、顔だけが外の風を受け、痛い程寒さが身にしみます。私の頭の真上を鳥の群れが飛んでいきます。私をめがけて飛んでくるような勢いに、思わず、頭を下げ、避けようとし、苦笑しました。こんなに鳥が近くに感じられるなんて、普段はない経験です。異国の地に来ると、普段はない発見、気付きがあります。が、今となればすでに異国の地ではなく、「KOMA」の看板が立つ地となりました。

「KOMAギャラリー」があるビルにたどり着いた時には、ほっとします。エレベーターで上がり、ギャラリーの鍵を開けます。窓辺より見える風景は私にとっては異国の地の風景です。が、自分のギャラリーがある地であることに人生の不思議なことを想います。初めてウラジオストクに来た時は、未知なる地に降り立ち、胸が高鳴り、寂しい風景を見、寂しくもあり、先祖が生きていた地と想うと、更に寂しくなり、複雑な気持ちで過ごしました。

「KOMAギャラリー」に居ると、心が休まり、明るく美しい空間に居ることが心地よいです。別れた同胞探しにこの地に来ました。どのような出会いが生まれるでしょう。明日、1月16日、オープンさせて戴きます。ありがとうございます。

ロシア/ウラジオストク ホテルにて