世界伝説 第94弾

 血圧が高くなる状態が続きながら、いよいよアルメニアへと出発する日が訪れました。血圧計を鞄に入れ、道中もしょっちゅう血圧を測りながら向かいました。測ったところでどうにもならない事を重々承知していますが、どの様な状態の時に血圧が高いのかという事を体で分かりたく測ったのでした。大体分かってきましたが、分かったところで解決がないという事も分かり、新しい生き方を練習し身に付ける事よりないと必死で新しく生きようとしたのでした。深く深呼吸をすると血圧が下がる事も段々覚えてきました。子供の頃から黒いものを吸い込むと倒れてしまうので、呼吸を止める癖がついています。深呼吸をする事で平穏な状態で生きる事を身に付けたく練習し始めました。この度もドイツ経由でアルメニアへ行きました。アルメニアの空港からホテルに向かう道中、私の写真のポスターがたくさん掲げられていました。こんなにたくさん宣伝して下さっている事に感謝の気持ちが溢れます。そして、コンサート会場はホテルの目の前の広場でありましたので、広場には私の大きな写真が掲げられていたのです。一緒に来た仲間が「大きな高麗恵子さん」と呼んでいました。広い広場に大きな私の顔が掲げられているのを見て私自身が大変驚き、戸惑いました。

アルメニアに着いて、テレビ局の出演依頼がありました。コメディアンの様な男性が二人出演している番組でした。私に日本語で詩を詠んでほしいとおっしゃいました。私が日本語で詩を詠むと、その二人の男性は涙を流したのです。言葉は通じなくても、魂に届いた事を感じ、素晴らしい感受性の方々であると感動しました。ちょうど日本からコンサートツアーにいらしていたたくさんの日本人の人達がこの番組を見ていました。皆さん感動したと口々におっしゃっていました。

イランからもいつもNPO高麗のスタッフとして一緒に活動しているイラン人とその親友のペルセポリスの舞台を作って下さった建築家が来て下さっていました。再びアルメニアでお会い出来、とても嬉しく感じます。この二人はレバノンの「高句麗伝説」にも来て下さっていました。はるばるイランから来て下さるお気持ちがとてもありがたく感じています。建築家の人は、私達がイランに行くと自宅に招いて下さいました。男性二人で手料理でおもてなしをして下さるのです。とても優しくて親切な方です。そのお宅で食事が終わった後、ぽつりぽつりとお話しするのが、イラン・イラク戦争の時の事です。兵士となり負傷した事を話されるのです。その苦しみ、悲しみが、いだきしん先生に引き受けて頂き癒される事を彼らは知っていました。先生がその様な御方である事を知っているので、お話をされ始めるのでした。その様な経験があったからか、アルメニアまでも来て下さる事に深い繋がりを感じ、とても嬉しく感じました。

この度はコンサートに集中する事に努めました。まず食事から、普段の精神状態から、血圧が高くならない様にと気を付けながら調整したのです。気を付けてなるものではないという事も重々承知しながら、気を付けない訳には行かず、色々自分の精神状態や体調を考え、より良くなる為にと整える事で必死でした。リハーサルの時に具合が悪くなりましたので、急いで部屋に帰って血圧を測ると大変高くなっていました。高くなったところで、薬も持っていませんし、どうしようもないので、深呼吸をしながら、大いなる存在とひとつに繋がる事に努めました。大いなる存在と繋がると、内面が無限な世界に通じます。最も健やかで、最も自然で自由で心地良い状態です。いつもこの状態で生きる事が人間なのだという事を学ばせて頂きながら、瞬間瞬間身に付ける事に取り組みました。幸い本番の時には気を付ける意識もなく無我夢中で臨ませて戴きましたので、血圧の事もまるで頭には上らなくなっていました。本番前に分かった事があります。以前アルメニアに来た時に、民族大虐殺という悲しい歴史があった地にて、何故人間はこの様な酷い事が出来るのか、何故この様な事が起こるのかとやり切れない気持ちで天を仰ぎ、天に問うたのです。その時、「宇宙の生まれる3段階前によってより人間は幸せになれず、世界が平和になる事はない」とのメッセージを受けたのです。このメッセージを詠む為に、自分がまっさらでなければ詠めないのだと気付きました。このメッセージを詠む為に、等身大の東明王様が私の体から抜け、私と共に在るという状態になって下さったのです。そして私は自分の力で生きていくという正に自律する生き方を身に付けなければ、宇宙の生まれる3段階前の詩は詠めなかったのだという事が分かりました。大いなる働きかけにより突然、等身大の東明王様が抜け、血圧が一気に上がり不安定な状態となりましたが、今こそ自分の足で歩き、自律した生き方の練習だったのです。深く頭を垂れ、心から感謝の気持ちが生まれました。この様な舞台で宇宙の生まれる3段階前の詩を詠めます巡りに深く深く感謝の気持ちが溢れたのです。この詩が詠めたら世界を変えていける、又、世界は変わると見え、とても胸はときめきました。宇宙の生まれる3段階前という言葉を初めて使ったのは、いだきしん先生の事を調べている時です。私は人の運命を、目を閉じ、見て調べ、言葉に表わしています。いだき講座では受講生の運命を目を閉じ調べ、言葉に表わしています。その状態をいだきしん先生が全て引き受け、解放の表現をピアノの即興演奏でなさるのです。私から見ると、運命は生命に負担が掛かっているので黒く見えます。生命が活きている状態は光に見えます。黒く見える所を調べ、原因である生き方を言葉で表わします。いだきしん先生がピアノで表現なさると、黒いものが灰色になり、やがて何も無くなるのです。するとその奥に、更に前の親や先祖から受け継いだ運命の因子が見えるのです。そしてその状態をいだきしん先生が引き受け、ピアノの即興演奏により解放なさると、何も無くなり、又、更に奥が見えるという状態なのです。そして最後、運命は無く、生命の深奥には表現出来ない程美しい光が見えるのです。この光が真の自分を表わす光です。その光は母の胎内に発生した瞬間の光です。その次の瞬間には、親や先祖から受け継がれた運命が身に宿ってしまうのです。人間は母の胎内に発生した瞬間は、真の自分を表わす光を持って生まれている事が希望であります。私もいだきしん先生に出会い、この光を取り戻し、健康を取り戻しました。生命助かったのです。そして本音はこの光から生まれます。本音を表現すればする程、光輝きます。人様の運命はこの様に調べますが、いだきしん先生はお会いした時から運命はひとつも見えない御方でした。故に私は普通の人ではないとすぐに感じ、驚喜したのです。同じに運命がある人によっては自分の運命が解決する事はないと甚く分かっていたからです。それは運命を変えたくて、色々な宗教へ行き、霊能者にも会いに行きました。が、どなたも運命を背負っていましたので、自分の運命が変わる事はないとは、はっきり見えていたのです。運命のない御方にお会いし、初めて「私は生きていけるかも」と希望の光を見たのです。その希望は現実となりました。いだきしん先生によって運命は紐解かれ、解明され、解放されたのです。そして母の胎内に発生した瞬間の光、真の光を取り戻したのです。真の人生を生きられる始まりとなりました。今までは生まれつき親や先祖から受け継がれた運命を生きる人生でした。辛くてならない人生でした。真の光を表わし生きる人生は、夢の又夢と表現する、想像も予想もした事がない素晴らしい人生が拓かれました。たった一度の人生です。真の自分を表わし、活かし、真の人生を生きていきたいです。いだきしん先生を調べると運命はなく、人類史を辿り、地球の発生を辿り、宇宙の発生を辿り、更に前の前の前まで辿るのです。その時、いだきしん先生の生命の光と同じ光を見たのです。宇宙の生まれる3段階前という言葉によってより表わせない状態でした。この様な言葉があるのかと自分でもためらいましたが、見えたままを表現するなら、宇宙の生まれる前の更に前の更に前の3段階前という表現になったのです。いだきしん先生の源の光です。この光故に、新人類と言われる子供達の生命もあらゆる人の生命も受け容れ、解放に向かう表現が出来るのだという事が分かり、深く合点が行ったのです。そうでなければ、地球上の全ての人の運命、苦しみ、重荷を引き受ける事など出来ないとは私でも分かる事であったのです。私は人類史上初めて、宇宙の生まれる3段階前の光を宿す人間が生まれたのだと驚喜しました。その詩をやっと読める場面が訪れたのです。それがアルメニアの地だったのです。続く…。