世界伝説 第95弾

 アルメニア、エレバンの広場にて、聴衆8万人の方々がお越し下さったとお聞きしました「高句麗伝説」コンサートを無事に開催出来ました。心何もなく、宇宙の生まれる3段階前に通じ、詩を詠ませて戴く事に集中しました。最初の詩はアララト山の詩でした。これよりないと生命で感じていたのです。気持ちは生命を尊重し、敬意を表し、詠ませて戴きました。後でアルメニアの方が涙を流して、私に御礼を言って下さいました。「私達の最も大事なアララト山を一番最初に詩に詠んで頂き、ただそれだけで嬉しいです。自分達の事を受け容れてもらっただけで生きていけます。」とおっしゃり涙を流されているそのお姿や表情は今でも忘れる事が出来ません。人間はどの様に辛い悲しい過去があっても、生命全てを受け容れて頂く時、生きていける事をここでも経験しました。いだき講座こそがその経験です。それも、一人の生命に受け継がれた長くて五千年もの歴史をいだきしん先生が受け容れて下さり、解放して頂くのです。私も、先祖高句麗の二千年の歴史をいだきしん先生が受け容れて下さり、過去の歴史は今を生きる生命に融合し、新しい力と生まれ変わる事を自分の生命をもって経験しました。アルメニアの方々にとって民族大虐殺という余りの悲しい歴史をも受け容れられたと涙し、御礼をおっしゃって頂く姿は、生きていてこの様な経験を共に出来る事程の喜びはないと感じたのです。悲しみが愛に変わる経験を共に出来る事は生命の喜びです。

ある方には、あなたは何千年もこの地に生きた人でなければ分からない事を何故詩に詠めるのですかと聞かれました。私は、大地が語るからと答えました。大地には歴史の真実が刻まれていると感じています。歴史ある地に立つ時、私には大地からのメッセージが聞こえるのです。そのメッセージを詩に書き、世界各地での「高句麗伝説」の時に詠ませて戴いています。魂覚醒し、号泣する方をたくさん見てきました。私の詩だけではなく、その背景から人間の生きている状態から全てを受け容れ、即興演奏によりいだきしん先生が表わして下さるのです。言葉に言い尽くせない感覚や感情を表現して頂く事で解放されるのです。魂覚醒し、号泣する事が起こるのです。私も初めていだきしん先生のピアノを聴いた時、涙が止まりませんでした。何故こんなにも泣くのか考えても抑えようとしても、涙は込み上げ、一時間泣き明かしたのでした。後から考えると解放の涙であったと分かります。宇宙の生まれる3段階前の詩を詠む時、内面は遥か彼方に通じていました。この世の限界を超え、何もない、それこそ枠も境も限界もない遥か彼方と通じる内面は自由でした。そしてとても心地良いのです。宇宙の生まれる3段階前の詩を詠めた事で、世界は変わると見えました。何よりの喜びです。表現出来た時、世界は変わるのです。言葉に尽くせぬ感動の「高句麗伝説」コンサートを無事に開催出来、安堵し、心やすらぎました。この時、ホテルから会場に移動する車の中でいだきしん先生が撮影して下さった私の顔写真が、KEIKO KOMA Selectionのカードの写真となったのです。日本語をはじめ英語、フランス語、スペイン語のホームページのトップページの写真にもなったのです。世界中何処へ行く時もこのカードを持って、御縁があった方にはお渡ししてきました。パリやスペインで作品展を開催した時は千人の人にお渡し出来たのです。

 翌日、政府の方にランチをご招待頂きました。その方は、「目の前の現実は厳しいけれど、コンサートで見た世界なら生きていけると感じ、この現実を乗り越え、生きていく希望を感じた」とおっしゃいました。ソビエト連邦が解体し、独立はしても、政治経済をロシアに従っているとお聞きしました。大変厳しい状況である事をお聞きしています。そんな中で、コンサートで経験した世界を希望とし生きていくというお言葉は涙が溢れました。この様な事が出来るいだきしん先生と一緒にコンサートを開催したり活動出来ます事は、私にとり最高の幸せなのです。最もやりたい事をさせて戴けます人生に、いつも感謝しています。草原の中にあるレストランでのランチはとても美味しかった事を覚えています。私にとり、とても温もり溢れるアルメニアの地でした。

 何年か経った後、トルコの法律が変わり、アルメニア人がアララト山に入れる事になったというニュースを聞きました。人間の内面が変わると外的環境が変わるという事を世界に伝えながら、人間の内面が変わるいだきしん先生のコンサートをご紹介してきました。アルメニアでも「高句麗伝説」を開催させて戴きましたので、多くの方々の内面が変わった事の現れと感じ、涙が流れる程喜びました。世界中何処へ行ってもリーダーは法律や制度、社会環境からは変えられない事を重々ご存知でいらっしゃいます。人間の内面が変わらなければ、外的環境は変えられないのです。制度や法律からは変えられませんが、人間の内面が変われば、生き方が変わり、制度や法律は変わらざるを得なくなるという事をずっといだきしん先生からお聞きしていました。アルメニアではその事を見、本当に内面が変わる事が世界を変えると分かり、希望を感じます。

 コンサート翌日、グルジアからのお客様とホテルのラウンジにてお会い致しました。かねてよりグルジアでも「高句麗伝説」を開催して頂きたいと依頼されていたのです。が、当時はロシアがグルジアを侵攻していましたので、日本の外務省では退避勧告が発令されていました。とてもこの様な状態で行く事もコンサートを開催する事も考えられない状況でしたので、保留としていたのです。グルジアから陸路アルメニアに来て下さり、昨日「高句麗伝説」にご参加下さったのです。女性二人と男性とで来て下さいました。グルジアからアルメニアに来る事は生命賭けだと聞きました。紛争していた国なので、国境の検問所で大変時間がかかる大変な困難な状況になると聞いていました。彼女達は困難な状況を乗り越え、アルメニアまで来て下さったのです。そして、涙に潤む瞳でグルジアにも是非来てほしいと頼まれたのでした。美しい女性の悲しい瞳がずっと心にあります。これを断ったら人間ではないと感じ、即座にその場で「是非伺います」と答えたのでした。大変申し訳ない事に、自分は行く気持ちはその時までなかったのです。が、お二人の女性の涙に潤む瞳を見た時、答えは行くよりなかったのです。今度はグルジアでお会いしましょうと申し上げ、お別れしました。

 アルメニアからドイツ、ミュンヘンに行き、ミュンヘンのホテルで仮眠をし日本へ帰りましたが、全ては心地良く、ミュンヘンでの爽やかな空気を今でも覚えています。内面が自由になると、何処に居ても心地良く楽しい事を経験しました。アルメニアでの「高句麗伝説」が終わった時点で、私は血圧計を使わなくなりました。高くても低くても気にならなくなりました。自分の体で自分の事が分かるようになり、自分の力で歩き、表現し、生き始める状態が身に付いたのです。続く…。