世界伝説 第154弾

2020年2月、ロシアでのカフェを展開する為とコンサートの打ち合わせの為に再びモスクワへと向かいました。空港では、同胞とコンサートのプロモーターが出迎えてくれました。何と、美しい花束を私にプレゼントしてくださいました。粋な計らいに感動しました。

モスクワの街はイルミネーションが飾られ、夢の国の世界のようでした。白銀の世界に様々なイルミネーションが飾られ、ここは現実の国ではなく本当に夢の国のようだと見とれてしまう街並みの美しさでした。ホテルのレストランから見るクレムリンの夜景も、雪に覆われイルミネーションが輝き、まるで別世界に来たような不思議な気持ちになる風景が広がっていました。

コンサートの打ち合わせをすることはとても楽しく未来を感じましたが、カフェの展開の方は本当にやれるのかどうかと疑問が湧いてくるようなことが多くなりました。一緒に会社を作ったパートナーとなる人は、同胞と感じていましたが、だんだん様子がおかしくなってきました。昼間からお酒を飲んだりするのでどこまで正気かが分からないような状態を見ることが多くなり、不安になってきました。現実的に会社を登記していることも自分には疑問に感じることがありました。ロシアの法律ではこのような手続きを踏むことが正しいという説明を受けても、何か誤魔化されているような懸念を抱くようになっていました。モスクワを発つ時には、自分はこの話は無しにしたいという気持ちが強くなっていました。すぐにお金を払えば話は進む状況でありましたが、自分はその決断ができずにいました。そこに来て新型コロナウイルス感染拡大が急激に増え、モスクワも日本からは渡航をすることができなくなりました。コンサートの日の為に既に航空券は予約していましたが、乗る予定の飛行機は全て欠航となりました。自ずとコンサートは延期とせざるを得ない状況となってしまったのです。こんなことがあるなんてと、夢を断たれていくようなとても悲しい気持ちとなりましたが、いずれコロナウイルス感染拡大が収束した時には、何としてもモスクワでのコンサートを実現したいと、必死な気持ちで時を待ちました。カフェの展開は私が懸念したことが的中し、送金せずに良かったと胸撫で下ろすような結果となりました。モスクワでの出来事ですがパートナーとなった方が、エチオピアからロシアにコーヒー豆を輸入し、叩いて叩いて叩きまくって殆どただ同然で仕入れることの話が成立したと、喜び私に伝えました。私の心は翳りました。私は日本でエチオピア支援の為にコーヒーを輸入していますが、いつも言い値で輸入しておりますので、エチオピアの人はNPO高麗がコーヒーを買ってくれることが何よりのエチオピア支援とおっしゃってくださっています。エチオピアに行った時に、コーヒーの産地でありたくさん採れるのに、農民は衣食住もままならないということを聞きました。なぜ売るものがいっぱいあるのに、衣食住もままならない程貧しく生きなければいけないのかと尋ねたことを覚えています。外国の商社が殆どただ同然に泥棒のように持っていくとの答えが返ってきた時には、信じられない気持ちで驚きました。そんなことがあるのかと、そのまま受け入れることはできなかったのですが、ロシアのパートナーがただ同然に仕入れるという話をした時、本当にそういうことがあるのだと初めて知ったのです。エチオピアの支援の為にロシア全土でカフェを展開し、エチオピアが豊かになればという気持ちで始めようとした動きですが、これではエチオピアの為にはならないと望みを断たれた気持ちとなりました。他の事情もあり、パートナーシップは解除することに決めたのです。同胞と思っていましたが、大変残念な結果となりました。彼は最後に言っていました。ロシア人の血には全員詐欺師の血が流れていると、詐欺をしたくなくてもそのようになっていくものが血の中に流れていると…。その話が正にこのようなことなのかと目の当たりに見る経験となりました。同胞探しの道は厳しい結果となり、ウラジオストックもモスクワもその時点では道はなくなってしまったのです。それでもいずれの時にはという気持ちはありますが、今のようなウクライナとの戦争が続いている限り、モスクワでのコンサートは成立しないという現実を受け止めるよりありません。世界が平和になる為に、平和への道をひたすら創っていくことが答えと受け止め日々生きています。続く。。。