エチオピアから日本に来られた、私達と一緒にヤルガッチャフェ村に行ったエチオピア人からモスクワでコーヒー事業をしている人を紹介して頂きました。彼に活動内容と活動履歴を示す資料をお送りするとすぐに興味を示しました。そして私はモスクワへ行ってコンサートを開催したいと考えていること、カフェを作りたい考えも同時にメールしました。すぐに興味がありますと、そして一緒にやりたいですとお返事が来たのです。的確な表現に驚きました。このことをいだきしん先生にお話しさせて戴くと、いだきしん先生はふと、「同胞かもね」とおっしゃったのです。胸が動き懐かしい気持ちに包まれました。同胞であるなら会ってみたいと、まだお会いしていないその方はどんな方なのかと想像するようになりました。お会いしたことがなくてもメールのやり取りで気持ちが通じ合え、話がとても順調にきれいに進んでいくのです。お会いしたことのない方とこんなに順調に話が進んでいくという経験は、かつてはありませんでしたので、私は初めての経験に不思議な気持ちがありながらも何か心がときめいてならなかったのです。お会いする前に既に一緒に活動することは決まっているような出会いでした。いよいよモスクワにてその方にお会いする日が訪れました。久しぶりにモスクワに向かいます。モスクワへ行くことも、とても心がときめきました。空港に着いた時に以前のモスクワとはまるで空気も雰囲気も違っていることに驚きました。冷たく重い空気が立ち込めていたモスクワの空港でしたが、この度は明るくて軽やかであるのです。そしてパスポートコントロールの係員は若い男の人で、とてもにこやかで明るいのです。以前の様にこわばった表情で冷たい反応をするようなロシア人ではないことに大変驚きました。軽快にパスポートコントロールを通過できました。
そして空港から1時間あまり車に乗り、中心街にあるホテルに到着しました。少し部屋で身支度を整えてモスクワの人にお会いしたく、そのように時間を設定しましたが私と同じに気が早いのか、約束の2時間前にもうホテルに向かっているとの連絡が入ったのです。私達はホテルに着いたばかりでした。身支度もきちんとできずに、突然その方とお会いする瞬間が訪れました。お会いすると、メールでやり取りしたような通じ合えるような人ではなかったことが少しがっかりしたことでした。が、話をするとものすごい勢いで話が進んでいくのです。 やはり面白い出会いでした。私は何をしたいのかと尋ねられた時に、ロシア全土にカフェを作りたいと思わず答えていたのです。大変意気投合しました。そして何よりいだきしん先生のコンサートを開催したい目的がありましたので、コンサートの話しを沢山したいと考えていた所、既にコンサートプロモーターも呼んでくださったのでした。そのプロモーターもとても良い方で、話がどんどん進んでいくのでした。夢を見ているような心地でした。こんなに全てが早く進んでいくとは、モスクワに来て本当に良かったと、ただただ喜びばかりが溢れてきました。コンサートの話もカフェを展開することも実現できるという喜びに溢れていました。次の日はクレムリンや近くのコーヒーショップを見に行きました。
コーヒー事業を手掛ける女性の方もご紹介頂きました。モスクワのカフェにてスイーツを頂いたりコーヒーを飲みながら自分達が作るカフェはどのようにするかという話をしていくのは、とても夢のある楽しいひと時でした。モスクワの地でカフェを作れるなんて夢のようだと、自分は本当に人生の不思議さを思いながら心がときめくばかりでした。全ては順調に進み最後の日はプーシキンというレストランで皆で食事をしました。レストランにはプーシキンの本がたくさん置かれていました。文学の香りがするレストランがあるモスクワは素敵な所だと自分は感じました。その時、同胞ではないかといだきしん先生がおっしゃった彼は、私の目となり耳となり手となり足となりモスクワで働きたいと申し出てくれたのです。大変驚きました。会ったばかりで私と一体となって、私の代わりにモスクワで働くとおっしゃるその表現に驚き感動したのです。自分の分身の様になる方がモスクワで働いてくださるなら何とありがたいことかと、この時も夢を見ている様な気持ちになりました。私の分身が誕生し、次に来る時はロシアに会社を作りモスクワにカフェを作ることになったのです。そして先生のコンサートのプロモーションの為に、次回来る約束をしてモスクワを発ちました。夢のようなモスクワでの日々でした。もしかしたら同胞というのはこのような働きを共にしていくのかもしれないと考え始めました。自分が思い描いた様な同胞のイメージではありませんでしたが、物事を共にし進めていく上でこれ程早く全てが進んでいけることに驚くばかりでした。同胞と一緒に仕事ができるなら、こんなにうれしいことはないという気持ちで日本にいてもモスクワでのカフェをつくることやコンサートの準備が進められました。日本でメールのやり取りをしても、自分がメールを送ると同時にモスクワからメールが届くのです。その内容はいつも一致しているのです。メールを受けてから送るのではなく、同時に送信と受信をしているので、凄いことだといつもスタッフと一緒に驚くことが続きました。