世界伝説 第142弾

インドからアマンビールさんが日本にいだき講座を受講しに来て下さいました。京都事務所にて開催する予定を組んでいました。そして時間の合間、合間には京都を観光して頂きたいと考えていました。もちろん八坂の塔の真下にある高麗ギャラリーカフェにもお越し頂きたい気持ちでいました。

アマンビールさんは、インドから仏像のお土産を運んで下さいました。八坂の塔の中庭のような位置にある高麗ギャラリーカフェの離れの「高麗」の看板が立つ所に置かせて戴きました。アマンビールさんを清水寺にご案内した時、阿弖流為と母禮の慰霊碑が立っていました。東北の復興支援の道を作りたく、岩手県の被災地を全部回った私は、ある日偶然交通事故により通行止めとなった高速道路を降り、一般道を通った時に、阿弖流為の存在と出会ったのです。目が覚める経験でした。阿弖流為を知らずして東北の復興の道を考えていた自分が愚かであったと恥じたのです。阿弖流為と母禮の慰霊碑が清水寺にあるとは知りませんでした。

私は慰霊碑の前に立ち、目を閉じ、黙祷を捧げました。一陣の風が吹きました。時空を超え、阿弖流為と母禮の魂に出会いました。時間のない世界で魂と出会ったのです。その時の場面をアマンビールさんは写真に収めていました。インドに行った時に見せて頂き、驚きました。そして、先祖の魂にお参りをしていると写真の下に書いていたのです。アマンビールさんには、私が先祖の魂と出会っていると見えたのだと知り、胸の奥が動き、涙が滲みました。

清水寺も観光客が多く、参道に並ぶお土産屋さんのお店からは呼び込みの声が賑やかに聞こえます。神聖なる場所に行く道中ではないノイズの多い参道であった事が恥ずかしく感じ、私はアマンビールさんに、現代はお金儲けが中心となってしまった世の中であるのでこの様になってしまったと感じていますと、ついと話してしまったのです。アマンビールさんは頷き、インドも同じですと答えられました。インドから遥々来られて神聖なる場所にお参りに行く予定が、そうではない空気である事を自分は日本人として恥ずかしい事だと感じました。神聖なる場所は神聖なるままにあってこそ人間の心が現われ、心を取り戻すかけがえのない経験となると考えます。私は、カフェでありますが、幸い八坂の塔の真下の中庭の様な場所に作らせて戴きましたので、神聖な場としたいと望み、作りました。カフェであっても入って来た瞬間、内面開き、遥か彼方無限な世界と繋がる経験が起これば、お役に立てると考えています。多くの方々はその様な店であるという事を感じて下さる事がありがたい事です。古の都の歴史ある地をご案内したい気持ちでいますが、本当の日本の良さを感じて頂けない様な不安を感じてしまうのです。それはいつも外国から来た方をご案内する時に感じる事であります。

京都事務所での講座が始まりました。講座が終われば、夕食を共にします。こんな贅沢な講座はありません。その事もアマンビールさんにはお伝えしました。アマンビールさんはベジタリアンですので、中々ご満足頂けるレストランがなかった事も残念な事でありました。アマンビールさんは、いだき講座をグジャラートでも開催してほしいとおっしゃいました。アマンビールさんのお父様がインドの若者の為に大学の授業でいだき講座をとお話し下さっておられましたので、やれるのであればやってみたい気持ちが生まれました。いだきしん先生は承諾して下さいましたので、グジャラートでもいだき講座を開催する事が決まりました。グジャラートでの「高句麗伝説」コンサートの時は、いだきしん先生のピアノコンサート、そしていだき講座開催となったのです。ニューデリーに続き、フルコースになったのです。大きく拓かれる予感が生まれます。続く…。