盛岡を拠点とし、復興支援の道を作りたく四六時中考えて人を探し、色々な情報を得る事はやめる事は出来ません。自分達で道を作るという方向は決まりましたが、常に人探しは必要な事と考えています。ある時、盛岡、被災地でのアポイントメントが終わり東京へ帰ろうとしていた時、東京にいるいだきしん先生の息子さんの克哲さんから電話がかかってきました。高麗さんが探していた山田町のお坊さんは北上にもお寺があるようですよと教えてくれたのです。電話番号が分かるか尋ねるとすぐに調べて下さり教えてくれました。私はすぐにその電話番号に電話をしました。男の人が出てこられました。住職さんでした。自分の名前を名乗り、先日山田町のそのお寺に伺って名刺とお手紙を置いてきた者ですとお話しました。先方の方は私の手紙も名刺も見ていない様でした。山田町には戻っていないとおっしゃっておられました。私は、お会いしたくて山田町に行きましたので、北上にいらっしゃるなら、今からお伺いしてもよろしいですか、と尋ねました。いいですよとすぐにお返事が返ってきました。道順をおおよそ聞いて、まずは北上インターチェンジで降りる事を目指し盛岡を発ちました。北上インターチェンジを降りて教えて頂いた道順に車を走らせても中々お寺らしきものは見えませんでした。再びお電話をし、道を聞きました。川の名前をおっしゃって下さったのですが、土地の事が分からない私は、その川がどの川か分からなかったのです。そして、田んぼの中の一軒家だという表現を頼りに田んぼのあぜ道を走り続けました。教えて頂いた辺りに確かに近辺に御家があったのです。あそこに違いないと安堵しつつもそうであってほしいと祈りつつ向かい、車を止め、車を降り、玄関まで行きました。そして、ごめん下さいと声をかけさせて戴くと、お電話に出られたお坊さんが出て来られたのです。お寺というよりも一軒家であったのです。すぐに中に通して下さり、私はNPO高麗の活動を話し、いだきしん先生の事をお話させて戴きました。大変興味をもって下さいました。震災の時に沢山の方々を受け入れられていた事はニュースで知っていました。お寺の上から津波が襲ってくる動画を撮られ、それがテレビの映像に映っていたのでした。この様な時は人間の業がそのまま現われるものだとおっしゃっておられました。大変な思いをされ、沢山の方のお世話をなさり、かなりお体も大変な状態なのではないかと感じられました。先生のコンサートにご参加頂ければきっと楽になると感じ、私は先生のコンサートを一生懸命お話し、お誘いさせて戴いたのでした。人の為や世の中の為に尽くしておられる住職さんと感じお会いしたいと感じここまで来たのでした。そして、高句麗の事もとてもよくご存じで関心をお持ちでした。「自分は安倍一族の供養をしている」とおっしゃったのです。安倍一族は、高句麗に関係する事もよくご存知でした。私は、自分の先祖高句麗はいだきしん先生によって魂は解放され蘇っているとお話させて戴きました。そして、私の生命は助かり今生きているとお話をさせて戴きました。大変驚き、興味を持たれました。今年は安倍の前9年千年忌の供養をするので、その時にいだきしん先生に供養の演奏をして頂けないかとのお話があったのです。私はすぐにそれは無理ではないかとお話しました。いだきしん先生の演奏はお経に合わせたりするものではなく、人と自然の生命、その土地全てひとつになり生まれる音を即興演奏なさいますので、お経に合わす事はできないでしょうと答えたのです。やれたらいいのだけれどもとおっしゃって話は終わりました。様々な過去の経験のお話からお聞き致しました。正直私には分からない世界でした。私も霊魂が見える人間なのでこの様な事によって霊魂が浮かばれる事も成仏する事もないと自分では見えていたのです。お経を読んで霊魂が成仏するとは自分にはとてもみえなかったのでした。いだきしん先生のコンサートや「高句麗伝説」にお越し頂きたいとお話ししました。日程が合えばお越し下さるとおっしゃいました。またお会いしましょうとお約束をし、お暇させて戴きました。私はコンサートにお越し頂ければいいと願っていました。この事をいだきしん先生にお話をさせて戴いた時に、いだきしん先生はその法要に行ってもいいとおっしゃったのです。私は失礼ながら、行かない方がいいですと申し上げてしまったのです。いだきしん先生は、行くのもいいかもしれないとおっしゃったのです。そして、話を進める様にとおっしゃいました。正直私はとても嫌な感じがしていました。が、いだきしん先生がそうおっしゃるので話を進める為に連絡を取らせて戴きました。
ある時、再びいだきしん先生と一緒にそのお寺に伺ったのです。息子さんも僧侶でありました。御二人でお経をずっと読み始めたのです。その時、私はなぜか2度も携帯電話を落としてしまい、音を出してしまったのです。普段、いだきしん先生のコンサートで音が出る事が一番演奏の邪魔になる事を分かっているので、音が出ない様にと気を配り、お客様にも音を出してほしくないと祈る様にし、いつも場内整備をしているのです。主催者側がきちんとしていれば、場はざわつかないので演奏の妨げにはならないからといつもスタッフにもよく言いながらコンサートを開催してきたのです。その私が2度もお経を読んでいる所を邪魔してしまいまして、息子さんには睨まれました。何という事を自分はしてしまうのかと驚くばかりで、自分でも戸惑うばかりだったのです。