念願のイラン、ペルセポリスでのコンサート開催許可が下り、早速すぐにでも下見に行かなければいけない状況となりました。コンサートを開催出来る日は、10月14日と聞きました。あと3ヶ月もないのです。下見に行くとしたら、8月より行く機会がありません。9月では準備をする時間がなくなります。8月のシラーズは、サウナ状態とイランのいつも一緒に動いている通訳の方から聞きました。話を聞くだけで、私は思わず「大変」と叫んでしまい、本当は「嫌だな」と感じてしまうのです。が、そんな事は言っていられません。サウナ状態のイランに行かねば、ペルセポリスのコンサートは実現出来ないのです。スケジュールを急いで作り、8月の半ばにイランへと旅立ちました。旅の支度は、兎に角、通気性の良い衣類を探しまくりました。イランは、女性はスカーフを被り、体の線を出さずに足元までの長い洋服を着る事が義務付けられています。サウナ状態の所で長い服を着て、頭もスカーフを被って過ごすのかと、考えるだけで不安になってしまいます。薄く、軽く、それでいて体の線が出ずに透けない洋服を探しまくり、何とか見つける事が出来たのです。テヘランからシラーズへと向かいました。シラーズはバラの都で有名な所です。最初に行った時に、有名な詩人の廟を囲み、夕暮れ時、沢山の人が廟の周りで詩集を広げて読んでいたのです。カップルも多かったです。男女が一緒にいる事を禁じられていると聞きましたが、詩人の廟では多く見かけました。夕暮れ時の風に吹かれ、とても心地良い空間が広がっていました。素敵な文化と感動したのです。ペルセポリスはシラーズから更に車で長い距離を走ります。砂漠を走っていきます。私は、シラーズに着いた時、迎えの車のエアコンが故障している事にがっかりしました。車に乗れば、涼しくなると期待していたところが、サウナ状態だったのです。日本から持っていった扇子を出し、一生懸命仰ぎました。一生懸命過ぎて扇子が壊れてしまいました。情けなく感じます。私のやる事は、こんなものかとがっかりしました。あとは、手がありません。内面を深く感じ、大いなる存在と繋がり生きる事と原点を取り戻しました。何処にいても、どの様な状況でも大いなる存在とひとつであれば、心地良く過ごしていけるのです。その事を忘れて、サウナ状態と聞いた事で不安になり、じたばたと少しでも涼しくする事を試みようとした事が愚かでありました。大いなる存在と繋がり過ごせば、暑さは感じなく、心地良かったのです。その後は、ずっと大いなる存在と繋がり、真夏のサウナ状態のシラーズ、ペルセポリスを歩きました。



