世界伝説　第18弾

9月11日アメリカ、ニューヨークの世界貿易センターが破壊されていく映像をニュースで見ました。一体何が起こったのか理解出来ない映像でした。あまりに驚き、動揺し、何度も繰り返し映し出される映像を見、やっと何が起こったかという現実を受け止めたのです。ニュースでは、同時多発テロと書かれ、パレスチナ解放機構のアラファト議長の顔が映像に映ったり、パレスチナの子供達のインティファーダの映像が映ったりしました。あたかも犯人はこの人達だと思わせんばかりの映像に、自分はやり切れない気持ちになりました。自分の中では映像を見た瞬間、見えるものがありました。それがやり切れなくて、腹が立ってならなかったのです。腹が立っているうちに私の体は痛みはじめ、起き上がれない程、全身が痛くなってしまいました。ベッドから下りる事もままならずに、立ち上がるまでに大変な思いで立ち上がったのでした。私は人や社会や、その土地の重荷や苦しみ、悲しみを身に受ける体質です。この様な無残な事が起きると身が痛み、暫く動けなくなる事が過去にも何度もありました。この時程身が痛んだ時はありませんが、この時は中々回復する事がなく、苦しみました。そうこうしているうちに、再びエチオピアへ旅立つ日が迫っていたのです。この度の旅は、450万年前の人類最古の人骨といわれている「ルーシー」が発掘された、発掘現場まで行くのです。エチオピアは何処に行くのにも引っ越しをする様に全て持っていかなければならないのです。水がない、お手洗いがない、シャンプーから食べ物まで持参するのです。多くは介護用品がとても役立ちました。エチオピアではアディスアベバを離れるとレストランがありませんので、日本から持っていった乾燥のおにぎりや缶詰を食べるのです。それらをスーツケースに詰めていくので万全な準備が必要です。特に、人類発祥の地まで行くのです。更に万全にと荷造りが必要であるのに、私の体は痛み続け、身動きさえ取れなかったのです。出発前日、いだきしん先生の娘さんの笑美ちゃんや愛ちゃん、私の姪の理恵ちゃんがスーツケースの荷造りをしてくれました。私はただベッドで横になっているだけでした。出発の朝が来ました。こんな体でもエチオピアへ行けないという事はひとつも考えていなかったのです。荷造りはして頂いたものの、自分の身が動かない現実を受け止めました。ベッドで寝ているだけでは、エチオピアへは行けないという現実を認め、慌てはじめました。この体では行けないと感じていました。止む無くいだきしん先生にお電話をしました。体が痛くて動けずに、エチオピアへ行きたいけれど、体が動かないと話をしました。いだきしん先生が何とおっしゃったかは覚えていません。電話を切った後、行くよりないという事だけ分かりました。そして、折角皆が荷造りをしてくれたという事も受け止めました。行く為に荷造りをして頂いたのです。行くよりないのです。ベッドから転がる様に落ちて、身支度をはじめました。転がらないと起き上がれないからです。痛む体をどの様に身支度したかも覚えていませんが、成田空港に向かい出発したのです。続く…。