世界伝説 第96弾

2008年10月はアルメニアにて「高句麗伝説」コンサートを無事に開催出来、「宇宙の生まれる3段階前の世界」の詩を初めて詠ませて戴けました事に身が震える程感謝しています。これで世界は変わると大いなる希望が生まれます。新しい世界が拓かれ、11月にはレバノンへと旅立ちました。「心模様作品展」と「大地の声」コンサートを4回開催する予定で向かいました。ドバイにて乗り換えの時に、いだきしん先生は同行したスタッフ全員を集めました。ボランティアスタッフもいますし、音響や照明を依頼した業者の人もいらっしゃいます。ボランティアスタッフは、日頃から共に活動し、身内の様な人達ばかりでありますが、仕事を発注し請け負う業者の人はまた違う関係性であります。同行する全ての人を集めて、いだきしん先生はお話下さいました。これから行くレバノンは、いつ何が起こるか分からない大変危険な状況にある事をお話下さり、この度はホテルと会場以外は出歩かない様にとお話下さったのです。いつ何が起こるか分からない危険な地に行くという事を重々自覚してほしい、とのお話でした。そして「高麗さんは好きでいくのだからいい。自分はこの様に生きているから行くよりない。そして、皆さん一人一人は高麗さんに会ったので行く様な巡りになってしまっている。」とお話下さいました。一人一人、人生を考え、生命大事にしてほしいという事をお話下さったのです。私は、先生のお話を心に受け、心身を正しました。ベイルートに着き、いだきしん先生のお話が身に沁みました。とても緊張し、体が震えてくるのでした。丁度、お金をおろす必要がありホテルの中にあるATMに行こうとしました。ホテル内ではあっても一度ホテルから出て、違う入り口から入っていくのでした。ほんの短い距離、外に出ただけで恐怖を感じ、私は急いでホテルの中に入ったのです。結局お金はおろせず、再び急いでホテルの部屋に戻ったのですが、一瞬であっても全身が恐怖に震えた事に驚きました。ベイルートでの「大地の声」コンサートは、私の詩集のアラビア語版の出版記念を兼ねてのコンサートでした。いだきしん先生は、早めにリハーサルの為に会場に行かれました。

私は、ヘアセットとメイクをしてから会場に行く事となりました。レバノンでは、いつもNPO高麗のスタッフである俳優のネメさんの奥様が私のヘアセットとメイクをして下さいます。奥様の美容院へ行く予定でしたが、外に出る事に恐怖を感じ、私の部屋まで来て頂く事になったのです。ネメさんの奥様とアシスタントの女性がお二人来て下さいました。アシスタントの女性はイスラムのヘジャブをかぶっていました。お二人の女性がヘアセットをしてくれている時に、女性達のお体を感じた時、緊張と恐怖に震えました。この地で生きる事は常に緊張と恐怖の中で生きていく事に悲しみを感じ、涙が滲みました。ずっと緊張と恐怖の中で生きていると、もしかしたらそれが当たり前になってしまうのかもしれないと感じると、尚悲しい事と感じました。

以前、レバノンのホテルに滞在している時にテレビのニュースを見ていました。イスラエル軍によって殺されたパレスチナの人の遺体が布に包まれ、皆で担いでいる場面でした。担いでいる人の悲しい瞳は今も心に残っています。その時、内臓が震えるという表現より出来ない状態となりました。内臓が震える程の恐怖を感じたのです。私は、レバノンに来ると魂の故郷と感じ、喜び心が浮き立っていますが、この地は内臓が震える程恐ろしい事が起こっている地であるのだと身に沁みたのでした。お二人の女性からも内臓が震える程の恐怖を感じました。ヘアセットとメイクをして頂き、3人で車に乗って会場に向かった時も恐怖に震え、祈りながら向かったのでした。会場に着き、鏡に映る自分の顔を見た時、昔殺された女優さんの顔に見えたのです。

お名前は出てきませんでしたが、自分の顔には見えなかったのです。ドキリと心臓が凍てつき、自分は死んでしまうのかと不安がよぎったのでした。幸い、いだきしん先生のピアノ演奏を聴いていますと、緊張も恐怖も解きほぐれ、生きている事を取り戻します。「生きている」と実感できる瞬間瞬間です。無我夢中で演奏を聴きながら詩を詠ませて戴きますので、コンサート中は不安も恐怖も何もなく、心は無限な世界と繋がり、愛に満ちています。この瞬間瞬間が「生きる事」と分かります。コンサートが終わり、ご招待されていた批評家の方や音楽関係者の方々が色々な感想をおっしゃいました。ある方は、私の詩はイランの有名な詩人に似ているとおっしゃいました。恥ずかしながら、その詩人の事を私は知らなかったので、イランで一緒に活動しているイラン人に尋ねたのです。その詩人は殺されたと言いました。瞬間、ドキッとし、心臓が凍てつきました。コンサート前に自分は死ぬのかと感じた事を思い出したのです。この世界は、不安と恐怖で一杯で、人間の生きられる世界ではないと身をもって経験しました。ここにいたら死ぬよりなくなるのだと身をもって分かったのです。私は、この世で生きながら、宇宙の生まれる3段階前の世界で生きると心に決めました。宇宙の生まれる3段階前で生きるより、生きる道はないと生命をもって分かったのです。アルメニアで「宇宙の生まれる3段階前」の詩を詠ませて戴いたので、生きる世界はまるで変ったのです。変わったのにまた今までの世界で生きていけば、死ぬよりないという事を先程まで身に感じた恐怖によって身をもって分かったのです。宇宙の生まれる3段階前が拓かれた今は、宇宙の生まれる3段階前で生きる生命となり、生きてゆくのです。不安と恐怖はなくなりました。そして、私は世界の平和を実現したく生きています。レバノンに来ているのも平和な世界を実現する為に来ているのです。自分が不安や恐怖に怯えて身動きがとれない状態では、ここに来る意味もないという事を自ずと悟りました。これからは平和を創る人間とし生き、活動していくと心新たに決めました。続く…。