アディスアベバに到着しました。何度この空港に降り、この地のエネルギーを感じたことでしょう。大地はいつも喜び迎えてくれます。飛行機が着陸した瞬間、大地から沢山の魂が雄叫びを上げて大歓迎してくれている事をいつも感じます。初めてエチオピアに降り立った時から、同じ光景が見え、雄叫びが聞こえていました。いつも歓迎されるので、生命優しいエネルギーに包まれます。アディスアベバの空港は、すっかり変わっていました。前は野原に降り立ったという様な空港で、飛行機を降りてからターミナルに行くまでも草原を歩いて行きました。今はアフリカの中心の空港となり、ハブ空港と言われ、エチオピアからアフリカ各地に沢山の飛行機が飛ぶ空港になりました。この度は、エチオピアにてカフェを作る為に物件を決めたくてやって参りました。着いてすぐに、カフェの候補地を見に行きました。
私は狭い飛行機の中で、全く休む事も出来ずに疲労困憊でしたので、体がしんどくて、立っているのも精一杯という状態で最初は中々力が入らずにいました。その建物の中では男の人がコンクリートの上で寝ていたりするのです。エチオピアに来るとよく見る光景ですが、私はその様な光景を見ると、心が辛くなってしまうのです。こういう所でカフェを作ってもどうなのかと、最初の物件は迷いが生まれました。そして次は、これから建つ大きなビルの1階の物件でした。エチオピアコンサートの時に大変お世話になった、当時の駐日エチオピア大使の奥様のご家族は財閥でしたので、その一族が建てるというビルでした。ここが良いと感じ、申し込みをすると決めました。とても希望を感じました。そして、予てより一緒に焙煎工場を作ったり、カフェを作ろうと話し合っていた、ヤルガッチャフェ村に連れて行ってくれた会社の社長さんの家にお邪魔致しました。社長さんの家は、以前も行かせて戴きましたが、この時訪ねた家は、エチオピアでは見た事もない町並みが作られていました。西洋的な瀟洒な家が沢山作られていたのです。その一角の、一つの家が社長さんの家でした。とても大きな家です。奥様が手料理を振る舞って下さいました。私は普段は、ごく限られた知っているお店でより食事をしないようにしていました。どこのお店で食事をしても、すぐにお腹を酷く壊してしまうからです。宿泊しているお城の様なシェラトンホテルでさえも、レストランで食事をするとすぐにお腹を壊してしまいます。お腹を壊さない所はなかったのですが、それでも食べるものを選んで頂くと、まだ酷く壊さない事は覚えてきたのです。社長さんのお家ではすっかりくつろいで、楽しく頂きました。そして、社長さんと合弁会社の契約を交わし、握手し、撮影までして頂いたのです。エチオピアでの事業の始まりと、とても嬉しく、希望を感じ、ホテルに戻りました。