盛岡の拠点となる事務所と家の引っ越しの日が来ました。ボランティアの仲間達が先に来て下さり、お掃除や家具や電気製品などの受け入れをして下さいました。この家に合うとても素敵な家具を購入しました。ここで詩を書ければ幸せと感じたままに詩を書ける部屋が作られました。窓を開ければ、駒ケ岳が見え、川の流れが見えるのです。高句麗の地に似た風景を眺めて過ごせる事にとても喜びと感謝の気持ちが生まれます。岩手県から青森県へいだきしん先生と行く事になり、十和田湖から奥入瀬渓流を回りました。
十和田湖畔のお店でいつもいだきしん先生はこけしを買って下さいました。この時もこけしを買って下さり、私はこのこけしが東北の復興のシンボルと感じ、とてもありがたく頂きました。当時は、川徳デパートの前の物件を借りる心づもりでおりましたので、そこに置かせて頂くと感じて喜び頂きました。結局その物件は借りない事になり、こけしは私の家に置かせて頂く事となりました。私のいない間、こけしが留守番をして下さるという気持ちとなり、とても愛おしいこけしです。青森県での心も体も癒されるかけがえのない時を過ごし、いよいよ山田町のコンサートへ向かう日がやってきました。とても緊張し、無事に辿り着けます様にと祈る様に向かわせて戴きました。山田町の役場に着き、担当の方と挨拶をし、皆様に必ず今日のコンサートは聴いてほしいと伝えました。コンサートが始まる時に私は、単に余興の音楽会ととられたらもったいないと感じ、丁度コーヒーもいだきしん先生が淹れて下さり皆様に飲んで頂いていましたので、その延長で演奏を聴く様な事もあってはいけないと感じマイクを持たせて頂きました。今日のコンサートは単に音楽を聴くという事ではなく、先生は人の体の状態をそのまま分かり、生命ひとつとなって即興演奏なさり心身の負担を解放してゆかれるという事をお話させて戴きました。そして、いだきしん先生が舞台に登場され、いつもは演奏のみをされますが、この時は、先生はお話をして下さったのです。自分は人の体の状態がそのまま分かるとお話され、今、皆様が苦しい場所は心臓や胃や胸ですねとお話をされはじめたのです。そして、これからその状態の解決の為の演奏をしますとおっしゃったのです。これ程のお話はありません。私は胸一杯となり、ありがたさで涙が滲みました。どうぞ、ここにいる方が先生のお言葉をそのまま受け止め、真剣に聴いて頂ければと祈りながら聴かせて戴きました。