2011年3月11日、私は目白にある会場にて「高麗恵子語り」を開催する予定でした。昼食を終え、ある本のコピーを読んでいる時でした。大きな地震が来ました。私は阪神大震災にて被災していますので、あの時以上の地震である事を感じ、急いでテレビをつけニュースを見ました。東北で起こった地震と知りました。胸に強い衝撃を受け、心配で心配でならずにいました。状況を分かりたくずっとニュースを見ていました。すると20分位経つと津波が襲ってきたというニュースが流れ始めたのです。その映像が映った時は、あまりの恐ろしさに息を飲み、身が凍てつき、胸は強い衝撃に震えました。私は、今日の私のイベントは中止にしなければいけないと見えた通りにあらゆる方法を使い、ご参加者に中止である事をお知らせしました。私自身も行きつく事は出来ても帰る事は出来ないと予測しました。お客様も必死で皆様駆けつけて下さると思いますが、帰る時には大変な困難な状況になると見えていました。早く決断する事が、皆様にご迷惑をかけない事と考え、早めに中止の決断をしたのです。私が見えた通り、その日は交通機関がストップし、帰宅難民といわれる人があふれました。私達のボランティア仲間も歩いて家に帰ったという事、また帰り着けずに途中色々な人にお世話になりながら、その日は過ごしたという話を沢山聞きました。イベントを中止にした事は初めてですが、止む無い事とはすぐに分かる程の地震が起こったのです。東北の地震である事に私は何かがあると感じたのです。それは、何かは分かりません。が、「東北の復興なくして日本の未来はない」とはっきりと見えたのです。そして私は「ここに人生賭ける」とお腹の底から本音が生まれました。その本音は大河の如く、強く大きな流れとなってあふれ出る本音でありました。この本音を抑える事は何をもっても到底できない事であると自分の生命で分かりました。丁度地震が起こった時、私は京都の大学の先生に頂いた本のコピーを読んでいました。その先生は、私が京都で開催する「高句麗伝説」の動員活動の為に四条通りのギャラリーを借りて作品展を開催していた時にギャラリーに飛び込んで来られたのです。ギャラリーの正面には「高句麗伝説」のポスターを掲げていました。そのポスターを見て中に入って来られたのです。高句麗の事をよくご存じの先生でした。そして、私に「高麗さん、東北は高句麗って知ってる?」と尋ねました。私は「知りません」と答えました。「何故知らないの」と尋ねられ、本当に知らないので、知らないとしか言えなかったのです。すると、その先生は「今度その事が書いてある本を持ってきてあげるね」とおっしゃったのです。私は、京都の「高句麗伝説」の事をお伝えし、強くご参加をお勧めさせて戴きました。当日、「高句麗伝説」にお越し下さり本のコピーを私に持ってきて下さったのです。その本のコピーを読んでいる最中に地震が来たのです。それも東北の地震だったのです。偶然とは思えず、この事はずっと心にあり続ける事であります。

世界伝説 第118弾
私はすぐにでも東北に行こうと決めました。が、大地震であり、甚大な被害が出ていた為、緊急車両より入れない状況でした。一般車両が入れる様になったら必ず東北の被災地に行くと決め、時をずっと待ち備えていました。いだきしん先生は、講座の中でお話をなさって下さいました。東北の復興を考える時に、誰かに会う事が必要というお話がずっと心にありました。誰かとは本当に誰なのかと四六時中考える様になりました。それは、少し精神的に不安定になる程、四六時中、寝ても覚めても考えました。ある時、テレビで避難民のお世話をしているお寺の御坊さんが話しているのを見ました。普通のお坊さんの感じがしなく、このお坊さんに会ってみたいと感じたのです。また、テレビを見ながらどなたにお会いすればいいのかと考えながら、人探しをし続けました。東北へ行く道を毎日考え、動き、作り続けました。が、全ては成立していかないのです。気持ちが急いてならず、夜は眠れず、だんだん鬱状態になってしまっていました。こんな状態ではやれる訳がないと自分ではよく分かりながら、何とか道を創りたく、毎日必死であちこちに電話をし続けたのでした。色々な人の伝手を探そうとしたり、色々あたってみましたが、どの話も成立に至らなかったのです。そして、あるきっかけから宮古にコーヒーの炊き出しに行ける道が出来たのです。まずは、現地に行って人を探していきたいと考え、岩手県の宮古へ行く時が訪れました。戦車の様な車といわれている車で向かいました。ボランティア仲間の車が途中、調子が悪くなり蔵王のサービスエリアの駐車場に車を置き、荷物とその車に乗っていた人を全部私の車に乗せ、蔵王から岩手県に向かいました。途中地震速報や警報が鳴ると、とても不安になりましたが、向かうよりない道でした。何があっても向かっていく気持ちよりなく、岩手県へと車を走らせました。続く…。