7月に入り、木々の緑もより鮮やかに輝き、雨に潤う木の葉は、新しい水を得たように初々しく瑞々しいエネルギーを放っています。今日はお家ブティック「京の華」の間のお披露目式です。別名「変態の間」と呼ばれています。

西武新宿線、武蔵関駅ビルの5階に上がると、日本家屋の風情ある玄関があります。玄関に入った瞬間、御祝いの花束が見え、次に写真額が目に留まり、心のうちに風が吹きました。「生命豊かな光 風が吹き 共に生きる」との詩書を声を出し女王様が読み上げると風が吹きました。ヒョーという声が聞こえ、鳥なのか、牛なのか、未だ正体が見えない変態が心震わせ涙ぐんでいました。

お家の中に上がらせて戴き、廊下を歩いているとガラス越しに美しい中庭が見えました。雨に濡れる木の葉が、こんにちはと言って微笑んでいます。何気ない風景は日本の美を表しています。「変態の間」の前室には、たくさんの詩書が並んでいます。全てに「高麗恵子」というサインが入っています。よく見ると「時の威力」のサイン本が並んでいました。本の隙間に見える美しい模様に目が留まり女王様は、「何ですか」と尋ねると、眼鏡をかけた何者かわからない変態が、お母様が嫁いだ時にお持ちになった津軽塗のテーブルと答えました。赤、深い蒼のコントラストが見事なまでに美しいのです。女王様は歓声を上げ感動を表していました。何者かわからない、牛のようにも見える眼鏡をかけた変態は声も出せず、涙ぐみました。

いよいよ「変態の間」に入ると、古式ゆかしい日本間に詩書がたくさん展示されています。変態家族のお父様がお母様の為に作られたお茶室がある日本間です。古の墨の香りがする遠い昔の光景を思い出す日本間です。心静かに墨の香りを辿っていると、どこからともなくフクロウがやってきました。フクロウはよく酔っ払いと間違えられます。この時もたくんさんの魂揺さぶられる詩書を見、酔っ払ったように騒いでいます。牛、豚、狐、妖怪、何者かわからぬ動物がぞくぞくとやってきました。皆、古式ゆかしい日本間では静かにふるまおうとしていましたが、尻尾を出してしまい、おちつかない様子でした。そこに、突拍子もない声を出し、バッタのような変態がコーヒーを運んできました。「本日はどうぞ宜しくお願いします」と言うバッタの言葉は誰も聞き取れませんでした。

お披露目式は始まりました。尻尾を隠し、鳴き声を抑え行儀よく皆座布団の上に座っています。昔懐かしい香りのする「変態の間」では、女王様の子供の頃の事を尋ねる鳥か牛かわからない変態の表現から、皆が幼き頃の光景を思い出し、魂のルーツを辿るような語らいとなりました。種は違えども魂の声は通じ合えます。様々な種が集い魂の語らいが出来る場は、良き場です。女王様の詩が魂の詩なので、集う一匹、一頭、一羽は、魂を表すことが出来ます。幼い頃の香り、風が蘇り、更に遠い昔、先祖が生きていた光景が蘇り魂の道が見える場であります。
今は、正体が見えず奇行を行うので変態と言われていますが、変態家族のそれぞれの正体が現れたら「京の華」が輝く場となるでしょう。「京」とは、王が居る所と聞いています。更なる展開に心馳せ…。

KEIKO KOMA心模様作品  

お家 ブティック

魂ある物には持ち主がいるという事を経験させていただいています。マーブリングの衣類との出会いも、そのように感じることが多いです。
KEIKO KOMA心模様作品 お家ブティックでは、沢山物を並べそこから選んで頂くのではなくて、持ち主が決まっている物を用意すれば、たとえ一点であってもお客様には届けられるのです。魂ある物創り、仕事創りをしていく事は、とても喜び溢れます。

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