人類発祥の地から無事に帰って来れた安心と、大きな大事業を成し遂げた達成感とで心の中はとても充実感にあふれていました。アディスアベバでは、エチオピア一の祭りが開催されます。いだきしん先生のコンサートを開催するメスケル広場という所は、国家行事が行われる広場です。9月にはエチオピア最大のメスケル祭りが行われます。エチオピアは、貧困と飢餓により人々の内面が不安と恐怖で一杯になっている事を政府の方から聞いていました。人が集まる所に行くと、日頃の不満が爆発し、暴動が起きて死者まで出てしまうという事を聞きました。私達のコンサートで人が沢山集まる時、この様な事が起こってはならないと、何とか防がなければいけない事が大きな課題でした。まずは、エチオピア最大の祭りの現場を経験してほしいと政府からの提案により参加する事になりました。丁度、春に来た時もシェラトンホテルのラウンジにいると、エチオピアの教育大臣が大変な事が起こったご様子で何方様かと必死にミーティングをしておられました。アディスアベバ大学で暴動が起き、死者が出たとお聞きしました。その時の衝撃は、胸に残っています。コンサートでその様な事が起こらない様にとただひたすら祈るばかりであります。メスケル祭りの日が来ました。始まる前に、まだ準備をしている最中、メスケル広場に行ってみました。
天高い空が広がっています。とても穏やかで、爽やかな秋の日です。私は、空を眺めていた時に遠い昔を思い出そうとしました。この空を昔見た事があると胸の内で感じたのです。その時、私はここに来る事は決まっていたと感じたのです。以前、通産省でここに来る事を予感していたと分かった時と同じ経験でした。「遥か彼方の時から、ここに来る事は決まっていた」と言葉に表したのです。とても不思議な経験でしたが、遥か彼方と自分の生命が繋がり一筋の光となった体感がありました。