世界伝説 第58弾

ヨルダンでは、ワディラムという「アラビアのロレンス」の舞台になった砂漠に行きました。駐日ヨルダン大使がお話し下さいました。砂漠の夜はとても素敵だと教えてくれました。そして砂漠の文化は、コーヒーの香りと詩を読む声と音楽とお話し下さいました。詩を読む人の所に楽器を弾く人が集い、皆でコーヒーを淹れ、コーヒーの香りが漂うそうです。これが砂漠の文化とお聞きし、とても素敵な文化と胸がときめきました。そして私がやっている事も砂漠の文化と同じと感じました。いだきしん先生が演奏され、私が詩を詠ませて戴き、そしていつも私達はコーヒーと共にあります。どの様な時もコーヒーを淹れて皆と一緒に頂くのが習慣となっています。私は「音楽と詩とコーヒーの香り」というタイトルで様々な催しを開催してきました。砂漠の文化と同じと知り、とても嬉しく感じます。初めて砂漠の中に入りました。エジプトのシナイ山に行った時も砂漠をずっと走り続けましたが、砂漠に降りる事はなかったのです。ヨルダンで初めて砂漠に降りました。最初は不安でありましたが、砂漠に座り、詩を書いていると風が吹くのです。すると女神が降りてきて、私に語りかけるのです。私は女神の語りを詩に記しました。中東の地は争いが絶えず、沢山の尊い生命が失われます。その事を語っていると感じたのですが、少年の流す血は砂漠においては真っ赤なバラの花の様だと女神は語るのです。私はその詩を「風の花」というタイトルで詠んだのです。

ガジ教授が大変感動し、大変高い評価を下さいました。中東での「高句麗伝説」には必ず「風の花」が登場します。これ程素晴らしい表現はないとまで絶賛して下さいました。今でも「風の花」の詩を書いた砂漠でのひと時、風に吹かれた時の生命の躍動が身に刻まれています。ヨルダンでは針に刺された様な痛みに襲われ、体はとてもしんどいのですが、生まれて初めての経験の連続でした。ヨルダンでのコンサートが2006年8月ジェラシュフェスティバルでの開催と決まりました。

ヨルダンでも様々な遺跡を訪ね、大地の声を聞き、詩を書きました。私は大地の声を詩に表わす事が大好きです。その地に生きた人々の魂の声が聞こえるからです。魂は時空を超えて、ここに存在する事をどこに行っても感じています。魂の声は歴史の真実を語ると受け止めています。

死海にて

私が詩を詠む事で、魂は光輝き、共に生きる存在となる事も経験しています。いつもどこに行っても心澄まし、魂の声を聞きます。そして詩を書く事が私の人生です。最も好きなひと時なのです。砂漠で自分が予想もしなかった「風の花」という詩が生まれた事も、かけがえのない人生の輝きとしあり続ける経験となりました。続く…。