世界伝説 第34弾

2003年7月、熊野本宮大社 大斎原でのコンサートの日となりました。朝から土砂降りの雨が降っていました。熊野本宮大社、また熊野詣についてお話を聞いた事が心を占めていました。「熊野は聖地であり、何人も、男女も、どの様な宗教の人も受け容れる。受け容れられ、あるがままが現る」と。「これが御利益」と聞きました。あるがままが現れ、行いが良ければ良しとし、悪ければ、気付き、正していく事が御利益の本当の意味である事を初めて知りました。熊野本宮大社の宮司さんには、悪い人が来ると雨が降るとお聞きしていました。その言葉がずっと心にあり、コンサート当日のあまりの土砂降りの雨に心が陰ってきたのです。

お祓いの時には、バケツをひっくり返した様な、叩きつける様な強い雨と、嵐の様な風が吹いていました。神社の方は、とても怪訝なお顔をされていました。私達は悪い人とみなされていると感じ、とても嫌な気持ちがしました。私は以前、S.T.1熊本アスペクタでのコンサート開催にあたり、雨が降る事を懸念し、毎日「雨が降りません様に」と祈っていました。阿蘇の麓にある阿蘇神社に行き、神様にお願いをしました。神様からは「人間の都合で天気は動かせない」とのメッセージを受けました。雨が降ると分かり、雨が降ってもコンサートが出来る様にと準備をしました。コンサート当日は、流れる程の豪雨となりました。それでも、子供達の「コンサートを止めないで」という声がかかり、いだきしん先生は最後まで、予定通りコンサートをされました。コンサートが終わった後は、鉄道が止まる程の豪雨となりました。何があってもやり続ける事をこの時、学びました。今までは、コンサートの日は晴れる事が多かったのです。晴れる事だけが良い事ではないのだという事を学びました。また、天気を人間の都合でどうこうしようという思いそのものが不遜であったと、自分を恥じました。後から調べれば、熊本のアスペクタという会場は雨の通り道という事が分かりました。

この経験がありましたので、熊野本宮大社で雨が降ったからといって、悪い人と思われる事は、とても不本意に感じていました。それこそ「神様はどの様にお計らいなのでしょうか」と天を仰ぎました。

旅館に戻り、コンサートの支度をしていても、旅館の人も雨が降ると悪い人、という見方が身に付いている様で、私達はその様に見られる事が、とても嫌な気持ちでいたのです。ところが、コンサートが始まる前になると、突然雨が止んだのです。それも、コンサート会場の真上だけ雨が降らなかったのです。奇跡を見ました。沢山の雨が降りましたので、地面はぬかるんでいましたが、空は晴れていたのです。大変な事が起こったと神を見、神聖なる地の神聖なるコンサートを心して聴かせて戴きました。「開闢の光景」というタイトルで、いだきしん先生は趣意書を書いて下さいました。濡れ衣が晴れた様な気持ちとなりました。忘れられないコンサートです。いだきしん先生は「日本の聖地でコンサートを開催する事で日本も守られ、タンザニアへ向かっていける」とおっしゃっておられました。奇跡の日本でのコンサートが無事に開催出来、これでタンザニアへと安心して向かっていく事が出来ました。続く…。