グルジアからアゼルバイジャンへ行く深夜、ホテルで身支度をしていると、スタッフから電話が入りました。アゼルバイジャンのコンサート会場が使えなくなったという知らせです。またもや私は驚き、愕然としてしまいました。心配で心配でならなくなりました。が、この度もグルジアの時と同様に私が心配してもどうにかなる事ではないのです。この度も大統領令という事でした。国家行事が行われる事に関わり使用できなくなったという事です。何故、この様な巡りになるのかと考えても答えはありません。全ては大いなる働きに委ねていこうと心を落ち着かせ、大いなる存在とつながる様に努めました。まずはアゼルバイジャンに行くよりないとホテルを出、アゼルバイジャンへと向かったのです。バクの空港に着き、迎えに来てくれていた旅行会社の社長さんは、すぐにコンサート会場が決まった事を知らせてくれました。彼は大統領の甥御さんです。新しい会場は、大統領宮殿内にある野外劇場でした。私は、とても嬉しくなりました。この度もグルジアの時と同じに、当初予定していた会場よりも、より「高句麗伝説」が行い易い会場へと変更となったのです。やはり大いなる働きかけによるものと受け止め、心配していた自分が恥ずかしくなりました。
バクの以前泊まったホテルは快適に過ごせたので本番も同じホテルを希望しましたが、ロシアのプーチン大統領が突然いらっしゃる事になり貸し切りとなったようです。私は予約してあったのに、こちらも突然変更される事に腹が立ちました。バクに着いてからホテルが空くまでの何日間かを、どこのホテルに泊まろうかとホテル探しが始まりました。私は神経質ですので、ホテルが快適でないと、とても神経に障り疲労してしまいます。何件回っても、ここでなら休めるというホテルはなく、私は段々気が滅入り精神状態が悪くなっていきました。最後に、いだきしん先生が決められたホテルは、私にとっては不快なホテルでした。かといって他にいいホテルはありませんでしたので、そこに泊まる事にしました。とても窮屈で息が思いっきり出来ない様な苦しい空間でした。こういう状態を何とか抜け出したいといつも考えます。ホテルや環境に左右されないで自分のペースで物事をやっていける様になりたいといつも望んでいます。眠れぬ夜を過ごし、翌日はコーカサスの方に行く予定となりました。いつもコンサート本番は、本番までに何かあると大変ご迷惑がかかりますので、色々な所に観光に行く事もなく、必要以外の事で出掛ける事もなく万全にと備えています。この時も当然そうであるかと考えていましたが、いだきしん先生はコーカサスの方に行こうとおっしゃったのです。バクから何時間も車に乗る場所ですので、その間何かあったら大変だと私は心配していました。かといってホテルにいる事は耐えられず、外には出ていきたいと願っていました。車に乗り、バクの街を出る所で車から煙が出てきました。この車に乗って行ったら何が起こるか分からないと私は大変不安になりました。これでコーカサス行きは中止になるかと考えていましたが、先生は行く事しかお考えでない様でした。バクから新しい車を手配して頂き、待つことになったのです。丁度高原の中にカフェがある所でした。ここでなら楽しく待てると感じ、高原の中のカフェに入りました。大きなカフェではなく、お客様が一つの小屋で過ごすようになっているのです。とても素敵だと感じ、心ときめき一つの小屋に入りコーヒーを頂きました。周りが林なので私には居心地が良く、車を待つことも苦なく過ごす事が出来ました。1時間以上経ち、バクから車が到着しました。新しい車に乗り換え、コーカサスへと出発しました。また、新しい車に乗り換え、ある所でドライバーが車を止め、外に出ていきました。待っている時に車が動き出したのには驚きました。私は急いでサイドブレーキをかけ、車が止まってくれたのでほっとしました。この様な事も私にとってみると不安を感じる事であります。再びコーカサスへ行く事が不安になってしまったのでした。途中ランチにて高原の中のレストランに入りました。ケバブがとても美味しいレストランでした。自然の中でお野菜もとても新鮮で美味しく、お肉も美味しかった事が忘れられません。私はお肉が苦手で食べられないのですが、この時は美味しく頂く事が出来たのです。美味しいものを頂き、更に元気になりコーカサスへの道中は快適となってきました。コーカサスが近づいた頃、魂震える光景に出会いました。川の畔の光景です。川の畔に天に真っ直ぐそそり立つ木が立っています。