世界伝説 第109弾

2009年7月はレバノンティールにて2回目の「高句麗伝説」コンサートを開催する事になりました。暑い夏の日、大好きなレバノンの地へ再び降り立つ事が出来ました事、大変嬉しく、心はときめきました。ベイルートのホテルに着き、すぐに衣装合わせがありました。私が「高句麗伝説」で着る衣装はいつもレバノン大学芸術学部の教授、ガジ先生がデザインして下さいます。ガジ教授はコスチューム部門で20世紀最大の巨匠といわれている御方でございます。その教授にデザインして頂けます事は真に光栄な事でございます。ガジ教授がデザインした衣装をシリアにある工房にて縫製して下さるのです。以前シリアに行った時に、その工房を訪ね仮縫いをして頂きました。ある建物の地下に入ると、その工房がありました。小さな工房ですが、そこで全てが出来るという事は一目で分かりました。この様な仕事場を作る事は素晴らしい事だと私は感じたのです。必要な事をやれれば、小さくても出来るという事がとても楽しく感じたのです。仮縫いして頂く時は、とても楽しかった事をよく覚えています。ベイルートで試着した衣装もシリアで縫製して頂いたものであります。

コンサート当日、ティールの市長さんにお会いする事はとても楽しみな事であります。2006年にイスラエル軍による攻撃によりティール市は破壊され、沢山の方々がお亡くなりになられましたので、市長さんの悲しみはどれ程の事かといつも案じています。市長さんはいつもやさしく、温かく、笑顔で迎え入れて下さいます。そして、いつもお食事をご馳走して下さるのです。この時も海が見えるレストランに連れていって頂き、レバノン料理をご馳走になりました。私は、レバノン料理が大好きです。そして、ティールは海辺の町でありますので、とても新鮮なお魚料理をご馳走になります。この様なひと時が人生において、真に幸せな時であると心から感謝します。幸せを感じる地は、常に争いが続いている事もいつも胸痛く、悲しいばかりであります。この地が光満ち、この地に生きる方々が健やかに暮らしていける日が来る事を心から祈ります。この度のコンサートはベリリ国会議長の奥様がお越し下さいました。奥様とはベリリ議長のサイダのご自宅に招かれた時に初めてお会い致しました。活動家でいらっしゃいますので、とても迫力のある女性であります。御家で手作りのお菓子をご馳走になりました事はとても嬉しく、温かいおもてなしに感謝しました。ベイルートの公邸にも招かれ伺った事があります。その時、私の事を家族とし受け容れていますという事をお伝え下さいました。そして、ティールの海の底にあったフェニキアの遺跡からの出土品を私に下さいました。今でもその出土品は六本木の本社ビルの私の社長室に大切に展示させて戴いています。コンサートは、無我夢中でさせて戴きますのであっという間に終わります。いだきしん先生は、人や自然の事もその地の歴史も全て生命ひとつとなり即興演奏されます。いつも「今、今」を表現されますので「生きている」事を生命で実感します。どの様な悲しみも光に抱かれ生きる力と変わる事を経験します。愛に満ちる内面を経験し、未来へ向かうエネルギーが湧いてきます。いだきしん先生の表現こそ根源解決となり、未来を創造する経験となります。レバノンの地でコンサートを開催出来る事は私の喜びです。この時、ガジ教授が大好きな「風の花」の詩を詠んだ事、そして、1回目の時は詠む事がなかった「我が心に輝く光 レバノン ティール」の詩を詠みました。市長さんが終わった後にすぐに舞台に上がってこられ、拍手をして下さいました。市長さんの喜んで下さるお姿がとても嬉しく、涙滲みます。悲しみにある心が喜びに変わる事は、とても嬉しく、悲しみと喜びが入り混じる涙が込み上げます。市長さんと、またレバノンの方々と悲しみ、喜びを共に出来る経験が出来ます事は真にありがたい事であります。日本からも沢山の方々がコンサートにお越し下さいました。皆、レバノンが大好きです。まさか、日本でお会いした方々とレバノンまで共に来れるとは、想像もしませんでした。出会った皆様と共に色々な国へ行き、コンサートを共に経験できます事は幸せな事と感謝します。

ベイルートではガジ教授の御宅に招かれました。どこかへ行った帰りに寄る巡りとなったのです。この時も奥様はいらっしゃいませんでした。小学生のお子様がいらっしゃいました。ガジ教授の奥様にはお会いした事がありません。初めてベイルートのご自宅に伺う事が出来、うれしく感じました。いつもご自宅の近くのレストランの前で車を降りるのです。この様な事もレバノンの思い出とし心に残っています。人に出会い、人の人生、暮らしに触れ、様々な事を感じ、考え、やはり心から願うのは、たった一度の人生が皆幸せであり、人間とし生まれた意味が分かる、人間とは何かを分かって生きていける人生であればいい、という事です。ベイルートの街はいつもクラクションが鳴り、とても賑わしい街であります。その街の一角のマンションのご自宅でのひと時は、今もずっと心にあるのです。ガジ教授は、病に侵され、その後お亡くなりになられました。ティールの市長さんも間もなく亡くなられました。共に過ごした瞬間瞬間は、心の中に光とし輝いています。ガジ教授やティールの市長さんがお亡くなりになった後、私がレバノンに行ったら誰が迎えてくれるのかと、とても寂しく感じました。が、魂は共にある事を感じると必ずレバノンへつながる道は作られると感じるのです。様々な巡りにより、今もレバノンとずっとつながり、レバノンのオリーブオイルやオリーブ石鹸、はちみつやお塩、ザクロヴィネガーやリンゴ酢、レンズ豆等々を日本にご紹介させて頂けます事はありがたい事と感謝しています。また、レバノンにあるシリア難民のキャンプや、貧困に苦しむレバノンの方々に支援物資を送らせて戴いたり、2020年ベイルート港での大爆発事故により大変な状況にあった時に救急車を送らせて戴いたり出来ました事はありがたい事と感謝しています。続く…。