2009年6月はロシア、サンクトペテルブルグからイラン、テヘランへと行きました。前回は3月で雪が降っていましたが、初夏のサンクトペテルブルグは緑輝き、青い空が抜ける様に高く、清々しい大きな風が吹く、とても心地の良い季節でした。公園を歩くだけで楽しく、未来に夢を馳せます。
アルメニアからロシアでのコンサート開催のお手伝いをして下さる旅行会社の社長さんとイラン、テヘランからいつも一緒に歩いていますNPO高麗のスタッフも一緒に来てくれました。彼は、ロシアに留学した事があるので、ロシアでの動きの時にお手伝い頂けるかと考え来て頂いたのです。アルメニアの会社の社長とコンサート開催の候補地をいくつか見ました。公園であったり、港であったり、3つの候補地を見ました。どこもあまりピンとこなかったのです。そして、コンサート担当者とのアポイントメントがあり、サンクトペテルブルグの市庁舎へ行きました。市庁舎へ着いた時、観光バスが1台止まりました。バスから降りてきた方々は、一斉に私の方にカメラを向け写真撮影を始めたのです。私は大変驚き、恥ずかしくもあり、どうしていいか分からないながらも、一斉にカメラを向ける人達の姿を見、笑いが込み上げてしまったのです。私を観光に来たのかと考えると可笑しくてたまらなかったのです。新しい生き方をしている人間を観光するとは、新しい時代が来たのだと一人で勝手にストーリーを描いて笑ってしまったのです。驚く経験でした。市庁舎へ入り、コンサートの打合せの為にコンサート担当者にお会い致しました。開催主旨をお話させて戴くと、とてもご賛同下さいました。そして「あなたの様な御方は、今行った場所はふさわしくないと考えます。あなたにふさわしいのは、エルミタージュ美術館です。」とおっしゃって下さったのです。私は、夢の様だと驚喜しました。「エルミタージュ美術館が使えるのですか」と尋ねました。「使えますよ」とおっしゃって下さったのです。そうであるならば、エルミタージュ美術館がいいと私は的にはまった様に見えたのです。候補地が中々ピンとこない状況もありましたので、ここに辿り着けて良かったと安堵したのです。早速エルミタージュ美術館でのコンサートの詳細の打合せをしました。